スタッフ日記 / プチニュース

「オススメ」の難しさに考えた


最近本当に考えるのが「オススメ」について。
とても悩ましく思っています。

ゲストハウスを運営しているので、ほぼ毎日数人から「おすすめの飲食店ありますか?」と聞かれます。ゲストハウスを使う醍醐味といってもいいくらいだとおもうんですが「地元民から聞くオススメに間違いはなかろう」という感じでしょうか。

なので「ココおすすめよー」というと、8ー9割の確率でいってくれます。
もう食べログとか飛び越えて、ネネログになっています。それくらい宿の女将のおすすめってみんな試してくれるものです。(ありがとうございます)

「自分のお気に入りのお店で ”美味しいものを美味しい環境で” 食べてもらいたい!!!!」

そんな自分勝手な美学に基づいて
時にはジェスチャーで
特には顔芸で(どんな?)

遠かろうが、行列だろうが、行きたい方向と逆だろうが
「美味しいものたべてこいプレゼン選手権」があれば
上位入賞するくらいの勢いですすめておりました。

ゲストが食べたいカテゴリーを聞く

頭の中で定休日や混んでいる具合を想像

一人旅かグループか、店の雰囲気

その上で2つくらいすすめる。

概ね、みんな喜んで帰ってきてくれた。特に
「常連さんがいて、楽しくおしゃべりまでできてよかった」
「隣のカウンターの人いい人だった」などなど

もちろん偶然の出会いではあるのだけれど
偶然が起こりやすいお店をおすすめできることも女将の仕事じゃないか?
と思って、そういう嬉しい報告をきくと「ワタシ、GOOD JOB!!」
と鼻をフゴフゴしていたのです。

だけれども、最近、オススメすることが怖くなることがありました。

その名も「オレゴン焼き鳥事件」。

この話は先日ゲストハウスの談話室で、アメリカはオレゴン州からきた若者たちと談話室で話をしているときに聞いたものです。

「僕たち、他の街で本当に嫌な目にあったんだ」

オレゴンの20代前半の田舎っぺ学生さんたち。フレンドリーでみんな良い子。四人のうち1人が日本語を話すことができました。

彼らの”日本で最も最悪だった日”の出来事、焼き鳥事件は とある街で起きたのだそうです。それはこんな感じでした・・・

———————————

ひっそりと住宅街に佇む焼き鳥やがあって、あかりがついていた。

空いていたので ガラッと開けてはいったら
おやっさんが「え、外人?」的な顔をした。

「日本語、しゃべれる?」ときかれたので

ちょっとしゃべれます、と答えたそうな。

その後「日本語のメニューよめる?」と聞かれたので
「ちょっとよめます」と答えたら、じゃあ、どうぞと奥の席に通された。

他にお客さんもいなかったんだけど、焼き鳥を4人で4本たのんだら
30分ぐらいかかって出て来た。

すっごく時間がかかったとオレゴン青年。

4本ではお腹がいっぱいにならなかったので
次に8本たのんだ。

そしたらおやっさんが「ちっ」って顔をした。

8本の焼き鳥とともに、伝票がきた。これって帰れってこと?

と思ったら、後ではいってきたカップルにはめっちゃ早くでてきた。
なんで?僕たち、何も悪いことしてないけど

すっごくすっごく worst experienceだった。

ーーーーーーーーーーーーーーー

。。。。。

はい、もう皆さん想像できますね?

私はおやっさんの気持ちがよくわかりました。

4人で焼き鳥4本。

正直、めんどくさい以外の何物でもないでしょう。

そして時間をおいて8本。

アルコールを頼んだかどうかは知りません。
スピードメニューとか頼めばよかったんでしょうけど
多分、オレゴン青年たちはわかってなかったでしょう。
そりゃあ、わからないよね。
そもそも、1本っていうのがどんな大きさなのかわからんし。
砂ずりとか軟骨とかゆってもね。そうね。

私は「あああーーーーーーーーー」と納得してしまい
彼らの「worst experience」に同調することもできなかったし
かといって「そりゃーだめだよ」とも言いにくかった。
だって知らないんだもんな。

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ふと考えてみた。

私も近所の焼き鳥やさんが美味しく安く、雰囲気もよいため
とても大好きで外国人ゲストさんに頻繁にオススメしていたのです。
ああ、もしかしておんなじことになってたんじゃないか???
と猛省しました。

そしたら案の定(お店の人からではなく近所の人にきいたのだけれど)
カウンターの小さいお店に、外国の人が複数人ずらりとならんで
水と、焼き鳥2本で 1時間粘ったことがあったらしい。

席がそんなもので埋まったら、お金をつかってくれる常連さんが入ってこれない。本当にこまったらしい。

もう申し訳ない気分でいっぱいになってしまった。

自分の中では「美味しいから紹介したい」と思っていたけれど
お店にとっては負担でしかないというこの最悪パターン。

いやあ、難しいなあ。

なにが難しいって、外国からの旅行者で(格安)ゲストハウスにお泊まりの人もめちゃくちゃお金を使う方もいらっしゃるんです。

寝るのは安く。その代わり美味しいものは目一杯!という感じで
食べ物に関しては節約をしない人は半数以上。
「神戸ビーフ、姫路でたべたいんだけど」という人も頻繁にいます。

基本的に今は円安なので、特にみんなにとって日本の食べ物は安く
今日のゲストなんて「いやあ、コーヒー美味しくてさあ!
朝から3杯飲んで来たよ。あははは!」とコーヒーの聖地?シアトル出身のゲスト。

でしょう。でしょう。それにしても朝から1500円コーヒーすごいね。
って感じです。(彼は食事にお金をかける人で、同室の人のご飯までおごりまくっていた。)

そんな人もいるからこれまた難しい。
お金を使ってくれる人のみにおすすめしたいわけではない。
普通に、注文をしてほしいだけなんですけどね。。。。普通って
普通って・・・。

オススメしたいけど、オススメしたくない。
お店の負担にならない、よきオススメというものを模索中です。

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